「ファシリティドッグ」が都内の医療機関で初導入!(後編) ~ ファシリティドッグを広めるために ~
こんにちは、とびうおです。
今回の記事は「「ファシリティドッグ」が都内の医療機関で初導入!(前編) ~ セラピードッグとの違いとその役割 ~」の記事の後半です。
まずは現状を知ろう。「ファシリティドッグ」はまだ発展途中
「ファシリティドッグ」はアメリカ発
ファシリティドッグ・プログラムを生み出したのはアメリカです。盲導犬以外の補助犬育成で世界最大の団体、CCI(Canine Companion International)で2014年の1年間に育成されたファシリティドッグの数は47頭。全米での頭数であれば、さらに多いことが言えます。
一方、日本では育成環境が整っていないため、現状はアメリカの育成施設よりファシリティドッグを連れてきているようです。
日本で唯一ファシリティドッグ・プログラムを行う団体
日本では、「特定非営利活動法人シャイン・オン・キッズ」という団体が唯一ファシリティドッグプロジェクトを行っています。シャイン・オブ・キッズは、日本の小児がんや重い病気を患っている子どもたちとそのご家族を支えることを目的としているようです。
こうした支援活動をする団体が日本で唯一というのは、日本での「ファシリティドッグ」の認知度・貢献度が広まっていないことを示していると思います。
日本で展開するのに課題はたくさんある
日本で「ファシリティドッグ」が広まりにくい理由としてはいくつかあるようです。
◆育成環境がない
現在も「ファシリティドッグ」はアメリカで育成された後、日本へ連れてきています。今後の全国への展開を考えたとき、育成環境が日本にないというのはあらゆる面で不利だと言えます。
◆資金面での課題
1頭の「ファシリティドッグ」を病院に導入するためには、初年度は約1200万円(初期費用〈譲渡料と訓練・育成費〉、ハンドラーの人件費、餌代と衛生管理も含めた健康管理費など)、その後は年間約900万円(初期費用以外の諸経費)ほどかかるそうです。
病院側からは「ファシリティドッグの導入」に関しての声が多くかかるそうですが、資金がネックとなり導入には至らないケースが多いようです。
◆アレルギーや感染への対応
ファシリティドッグに対するアレルギーや感染への対応は、導入している医療施設が国際ガイドラインに則り対策を講じているようです。
ファシリティドッグへのワクチン接種はもちろん、患者側もファシリティドッグに触った前後に手を洗うなど、マニュアルが決められています。また、触れ合う場所や患者を選ぶことでアレルギーへの対応もしています。
ただ、これらは各医療施設ごとに検討・対応する必要があるため、導入する側の負担が大きくなることは否めません。
「ファシリティドッグ」を広めるためにできること
普及には「ファシリティドッグ」の世間での認知・理解が必要ですが、そのためには何ができるでしょうか。
日本でファシリティドッグ・プログラムを行う団体「シャイン・オブ・キッズ」では定期的に写真展などのイベントを行ったり、写真集を出したりして普及に努めています。
団体での活動だけでなく、私たち個人でできることを考えてみました。
- ファシリティドッグについて知り、SNSで発信したり知り合いに伝える
- イベントに参加しファシリティドッグについての理解を深める
- 団体に寄付をする(通常の寄付の他、古本やDVDの提供、コラボ商品の購入など)
これらの活動により、多くの方々に認知されることを望みます。
おわりに
今回は、前編では「ファシリティドッグ」と「セラピードッグ」の違いとその役割、また後編ではファシリティドッグを広めるためにどうすればいいのか、調べてみました。
今回調べてみることで、ファシリティドッグは治療活動の中で大切な役割を担うことが分かりました。まだ日本での普及は少ないかと思いますが、世間での認知を広げ、より多くの方が理解をしてくれることが大切ですね。
この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。