「ファシリティドッグ」が都内の医療機関で初導入!(前編) ~ セラピードッグとの違いとその役割 ~
こんにちは、とびうおです。
2019年8月1日に、都内の医療機関初となる「ファシリティドッグ」が導入されました。静岡県、神奈川県の医療機関に続き国内3例目となります。
私自身、セラピードッグは聞いたことがありますが、「ファシリティドッグ」はあまり聞いたことがない言葉でした。
今回の記事では、前編と後編に分けて「ファシリティドッグ」について書いてみたいと思います。
今回の前編では、「ファシリティドッグ」と「セラピードッグ」の違いとその役割について調べてみました。
そもそも「ファシリティドッグ」とは?
「ファシリティドッグ」と「セラピードッグ」との違いと役割
「ファシリティドッグ」と「セラピードッグ」の違いは何なのでしょうか?
日本で唯一のファシリティドッグ・プログラムの団体である「特定非営利活動法人シャイン・オン・キッズ」の紹介ページには以下のように記載されていました。
ファシリティドッグの大きな特徴は、病院など毎日同じ施設に勤務し、その施設での個々のニーズに合わせた活動を行えること、時々訪問して触れ合うという短い時間ではなく、多くの時間を同じ犬と繰り返し過ごしていただけることです。
引用:「ファシリティドッグ・プログラム « シャイン・オン!キッズ - 小児がん、重い病気と闘う子どもたちと家族の支援のために」より
もう少し調べてみると、以下のような特徴があることが分かりました。
【ファシリティドッグの特徴】
- 高度な能力と厳格な資格を要す
- セラピードッグには許されない「治療計画への介入」
動物が関わる利用には「動物介在活動」と「動物介在療法」の2つがあります。セラピードッグは「動物介在活動」しか行えません。よって、セラピードッグと異なる点は、「ファシリティドッグ」の活動が「動物介在療法が可能」であるということですね。
「ファシリティドッグ」と「セラピードッグ」の違いを表でまとめました。
ファシリティドッグ | セラピードッグ | |
---|---|---|
勤務体制 | 常勤型 | 時々訪問 |
資格 | 専門的なトレーニングセンターでの訓練が必要 | 多くがペット犬だが、テストへの合格が必要 |
ハンドラー | 訓練を受けた病院のスタッフがハンドラー | 飼い主がハンドラー |
活動内容 | 動物介在活動と動物介在療法 | 動物介在活動のみ |
選別について | 健康、気質など厳しくスクリーニング | 簡易的なスクリーニング |
出典:「ファシリティドッグについて (PDF)」 公式ウェブサイト 神奈川県立こども医療センター
ファシリティドッグは、治療を行うメンバーの一人(一匹)としての役割を担っているということですね。
「ファシリティドッグ」にかかせない「ハンドラー」
ハンドラーとは、ファシリティドッグの指導を行う方のことです。調べてみると主に以下の条件を満たす必要があるようです。
- 臨床経験5年以上の医療従事者(看護師や臨床心理士)であること
- ファシリティドッグと24時間生活を共にする
単純にファシリティドッグの指導をするだけでなく、共に生活することでバディの役割を果たす必要もあるのですね。
「ファシリティドッグ」の効果
ファシリティドッグを導入する効果は、普段の病院での生活に癒しを提供するだけではありません。ファシリティドッグは治療内容にも組み込まれているため、以下のような効果をもたらします。
【ファシリティドッグの効果】
- 検査や手術などに同行・付き添うことで不安をやわらげる
- 注射や点滴を嫌がる子供がそれを受け入れ、治療ができる
通常の治療にファシリティドッグが加わることでよりスムーズに、より効果の高い治療を行うことが可能だということが分かりました。